インプラント治療(人口歯根治療)とは、歯が無い部分の顎の骨の中に人工歯根を埋め込み、それを支えとして人工の歯を固定し、咬み合わせを回復させる治療法のことです。
インプラントとは?
当クリニックでは、インプラント治療を中心にした医療体制を整えています。 少数精鋭で優秀なスタッフをそろえており、日毎技術のレベルアップを図っています。骨造成法、歯肉の移植法、麻酔法(笑気・静脈鎮静)、採血と輸液、ドリルテクニック、オステオトームテクニック等です。
最近のトピックスとして『ドリルを使用しないインプラントブレースメント』を採用しています。
この治療の特徴としては手術時間の短縮、術後の腫脹と疼痛の無発症があげられます。
インプラントの歴史
1952年、スウェーデンの科学者ベル・イングヴァール・ブローネマルク博士は、純チタンが骨の組織と結合する事実を発見し、この現象を「オッセオインテグレーション」と名付けました。当時の医学界の常識では、金属と骨が結合するなど、とても考えられなかったことです。 けれども、チタンは生体組織において異物とみなされず、受け入れられる性質を持っていたのです。そこで、ブローネマルク博士はこれを人工歯根(インプラント)に利用する方法を開発。軽くて丈夫な純チタンの歯根が骨と結合し、生まれながらの歯根と同様に歯冠を支えるシステムが完成しました。 ブローネマルクシステムと名付けられたこの治療法は、以来、世界中で数多くの人々の悩みを解消してきました。 現在、この優れた技術は歯の治療だけでなく、関節、顎顔面など体の他の部分への応用に向けても、精力的に研究が進められています。 ブローネマルク博士の研究から生まれたインプラントは、人間により健やかな未来をもたらす先進のテクノロジーです。インプラントのコンセプト
日本では、20年前より予知性のあるインプラントフィクスチャーが臨床に広く使用されています。その成功率は、約96%といわれています。現在の口腔インプラントを歴史的観点から考察すると、スウェーデンのイエテボリ大学のブローネマルク教授が、骨とチタン金属が生物学的に結合するという偉大なる発見をしたのが、今から約35年前です。それ以後、臨床治験をくりかえして臨床に応用され、高い成功率を得て、世界の臨床家に安全性と信頼性を与えました。 その間に紆余曲折があり、始めのうちは高い評価を浴びて登場したものの、骨結合の喪失に伴い、非難を浴び、いつのまにか消えてしまったインプラントフィクスチャ―もあります。 現在の主流は、チタンインプラントフィクスチャ―とHAコーティングチタンインプラントフィクスチャ―で、多くのインプラント臨床家に選択され、応用されています。 その最大の特徴は、チタン表面およびHA表面との骨結合(Osseointegration)です。臨床応用に際して、術後のメインテナンスと患者さんの口腔内衛生管理が、絶対不可欠条件です。これが理想的な状態で維持されると、インプラントの寿命が保証されます。 チタンインプラントとHAコーティングチタンインプラントの骨結合は、ビルディングの鉄骨鉄筋コンクリート中の鉄骨と似て、微動だにせず、天然歯牙と比較すると異なった様子を呈します。天然歯牙と骨との結合は、2枚貝の貝柱の結合に似ていて、弾力性があります。それは、インプラントの結合は直接に骨細胞との結合で、天然歯牙の結合は軟組織を介しての結合によるものです。しかし、いずれも細菌感染によって、結合寿命が明らかに短縮されます。インプラント治療の流れ
インプラントを埋入するスペースを確保する
フィクスチャーを埋入し、歯肉を閉じる
2次OPEにてアバットメントを埋入する
冠を装着してメインテナンスへ移る
インプラントの基本的な治療法
STEP1診査診断と予備的なインプラントのお話
最初の来院で、インプラント治療を理解して貰うため概略的なインプラントのお話をさせていただきます。
約60分かかるため、予約が必要です。(TEL:03-3844-1480)
そして診査診断のために口の中のX線写真、デジタル写真、歯型をとり、採血をいたします。
STEP2患者さんとのカウンセリング
2回目はもう少し詳しいインプラントのお話をさせていただき、前回の採取資料をもとに、診断結果を提示します。 そして診断にもとづく治療費と治療期間をお話して、治療に対する合意を得た後、書面をもって契約します。
STEP3インプラントの手術
3回目は手術になります。(症例によって手術時間は異なります)。
所要時間は、約1~2時間程度です。
STEP4術後管理
術後のケアに入ります。まずは手術後、7日から14日の間に抜糸をします。
その後は3ヶ月から6ヶ月の間インプラントの生着を待ちます。
その間は通院の必要はありません。
STEP5上部構造の装着
上部構造の装着のため、インプラントの生着の確認後、インプラントの頭出しという簡単な2次オペを行います。
そして歯型をとります。
約10日から14日後には、上部構造が口の中に入り、その日から快適に、おいしく食事ができるようになります。
STEP6メインテナンス
メインテナンスはインプラントの寿命を維持するために欠かせない処置です。
最初は上部構造を入れてから3ヶ月後に来院していただきます。
その後は6ヶ月ごとの定期検診になります。
インプラント症例
CASE01 左側下顎臼歯部の症例
Dr コメント#34の歯根がカリエスで咀嚼時の疼痛で来院。当該歯根を抜歯し即時にインプラントを埋入した。#35の欠損部にも同様ににインプラントを埋入した。使用したインプラントはBiocare TiUniteである。最終補綴物はメタルボンドクラウンである。
Pre-Xray
Healing_Abut
Gum
Abutment
MBond
CASE02 無歯顎に対するプロセラによる再建
Dr コメント咀嚼不能で来院しAll-on-4のコンセプトに従い診断設計した。使用インプラントはカルシテックインプラント8本を上下顎にそれぞれ埋入した。
上顎のインプラント部位
下顎のインプラント部位
上顎のメタルフレーム
上顎のメタルフレーム
上顎のプロセラ
下顎のプロセラ
上顎
下顎
CASE03 無歯顎(上顎)にドルダーバーで対応
Dr コメント上顎に5本のインプラントを埋入し、ドルダーバーですべてのインプラントを連結しています。これに対してクリップ(維持装置)付きのオーバーデンチャーを装着します。
インプラント部位
ドルダー維持装置
口腔内
クリップ付き義歯
CASE04 上顎臼歯部の傾斜インプラント
Dr コメント右上顎臼歯部の歯槽骨高径が約 2mmでサイナスリフトを試みたが失敗したため、#15と #18部に30度傾斜のインプラントを埋入して成功した症例である。
術前
#18部のCross Cut像
インプラント部位角度を決定
サージガイド
インプラント埋入
30度傾斜のインプラント
Tilted Implant
CASE05 上顎前歯3歯欠損に対する治療
Dr コメント術前のオルソパントモグラフィーです。左上前歯の欠損の顎骨は著しく萎縮している状態ですが、患者の希望で術前のAugmentationの施行を行なわず,審美的な回復は補綴物で行なう治療方針とした。
右上顎の欠損状態
上顎前歯の欠損状態
左上顎の欠損状態
天然歯に対するアバットメントの右側方面観
天然歯に対するアバットメントの前方面観
天然歯に対するアバットメントの左側方面観
プロビジョナル冠を装着
2次オペ後、ヒーリングアバット装着
2週後、アバットメンント装着
咬合面観
上部構造(MB)を装着
マグネット付き着脱式ダミーガム
着脱式ダミーガムを装着
CASE06 Oリングを使用したオーバーデンチャー
Dr コメント上顎の全欠損に対する治療は4本のインプラントで義歯を固定するために、前方に2本、後方に2本埋入されている。下顎の全欠損に対する治療は4本のインプラントで義歯を固定するために、前方に2本、後方に2本埋入されている。上下8本のインプラントが埋入されているが、義歯を固定するためオーリングアバットメントが装着されている。これらは簡単にはずれないように固定されています。
上顎
下顎
上下顎
上顎義歯の表側
上顎義歯の裏側
下顎義歯の表側
下顎義歯の裏側
口腔内