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むし歯(虫歯)治療

そもそも、なぜ虫歯になるのでしょう?そして、どんな治療があるのでしょう?
虫歯になってしまったら、症状に合わせて適切な治療をすることが大切です。

虫歯について こんな悩みはありませんか?

  • 歯と歯の間が黒くなってきた。
  • 歯が痛む。
  • 歯がしみる。
むし歯(虫歯)治療


虫歯とは

虫歯とは、虫歯原因菌によって歯が溶け、穴があいた状態です。


虫歯原因菌は複数あり、ミュータンス菌がよく知られています。こうした虫歯原因菌は、歯の表面にある歯垢(プラーク)に棲みつき、食べ物に含まれる糖をエサに酸を作ります。この酸は非常にpH値の低い、強力な酸です。この酸によって、歯からカルシウムやリンが溶け出し、虫歯の原因となります。


ですから、虫歯予防には、こうした虫歯原因菌の棲みかとなる歯垢(プラーク)の付着を防ぎ、虫歯原因菌の好物となる食べカスなどを除去することがポイント。つまり、歯みがきやプラークコントロールなどの日々のケアが大切なのです。


ちなみに、虫歯原因菌は生まれたときからお口のなかにいるわけではありません。主に感染によって口の中に棲みつきます。生後10か月~36か月くらいの間に、保護者から感染することが多いといわれています。


そのため、近年では虫歯予防の観点から「子どもに口移しで食べものをあげない」などの指導が保護者に対して行われています。


虫歯の治療

歯の表面が酸によって溶けることを「脱灰」といいます。そして、この脱灰を修復することを「再石灰化」といいます。


唾液には歯を再石灰化する力があり、脱灰と再石灰化のバランスがとれていれば、虫歯になることはありません。脱灰に対して再石灰化が追いつかなくなったときに虫歯ができるのです。


ごく初期段階の虫歯は、歯が自然に修復される再石灰化を促すことで削らずに治る場合もあります。しかし、ある程度進行してしまった虫歯は自然に治ることはなく、患部を削り、削った部分は詰め物やかぶせ物で補います。


虫歯の進行度とおもな治療法

虫歯の進行度はC0~C4に分類されます。各段階での症状と一般的な治療法は、以下の通りです。

C0 脱灰

エナメル質の表面が少し溶けた状態。
痛みなどの自覚症状はない。


ブラッシング指導を行い、毎日のケアで汚れをしっかり落とします。
フッ素塗布を施すことで歯の再石灰化を促して虫歯の進行を止め、さらには自然治癒することもあります。

C1 エナメル質の虫歯

エナメル質に小さな穴があいて黒ずんで見えたり、白い斑点があったりする状態。
冷たい物がしみることがありますが、自分で虫歯に気づくのはむずかしい。


虫歯部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)などを詰めます。

C2 象牙質の虫歯

エナメル質の内側にある象牙質にまで虫歯が進行した状態。
冷たい物や甘い物がしみる、歯が痛むなどの自覚症状が現れる。


虫歯部分を削り、詰め物やかぶせ物で歯の機能を回復します。

C3 神経に達した虫歯

エナメル質の内側にある神経まで虫歯が進んだ状態。
ズキズキとした痛みが出てくる。


神経や歯を取り除き、かぶせ物を装着します。

C4 歯根に達した虫歯

神経が死んでしまい、歯根の先に膿がたまる。


この段階になると治療がむずかしくなり、ほとんどの場合は抜歯が必要です。
抜歯後は入れ歯やブリッジ、インプラントなどで歯の機能を補います。



虫歯の進行度とおもな治療法

詰め物、かぶせ物の種類

虫歯の治療で歯を削ったあとは、詰め物(インレー)やかぶせ物(クラウン)で歯の機能を補います。
詰め物やかぶせ物には保険適用と保険外(自費)の素材があり、さらにいくつか種類があります。

詰め物(インレー)

保険が適用されるもの

コンポジットレジン(歯科用プラスチック)

コンポジットレジンとは、白いプラスチック素材の詰め物です。
ペースト状のコンポジットレジンを歯に直接詰め、専用のLED照射器で固めます。


メリット

  • 比較的安価。
  • 色が歯に近いので見た目に違和感がない。

デメリット

  • 長年の使用で磨耗する。
  • 変色しやすい。
  • 割れやすい。

CAD/CAM(キャドキャム)インレー

2022年4月より、白い詰め物・CAD/CAM(キャドキャム)インレーが保険適用になりました。


CAD/CAM(キャドキャム)インレーは、光学スキャナーと3Dプリンターを活用し、歯科用のプラスチックを削り出して製作する白い詰め物です。これまではCAD/CAM(キャドキャム)冠としてかぶせ物にのみ対応していましたが、詰め物にも使用できるようになり、保険適用内で白い歯を実現する選択肢が増えました。


ただし、CAD/CAM(キャドキャム)インレーはどの歯にもできるわけではなく、上下顎の小臼歯(真ん中から数えて4番目、5番目の歯)は無条件で可能。上下顎の6番目の歯の場合は、上下顎両側の7番目の歯がすべて残っていて左右できちんと噛め、噛み合わせの負担がない場合などはCAD/CAM(キャドキャム)インレーOKです。


上下顎の7番目8番目の歯の場合は、歯科用金属を原因とする金属アレルギーの医科の保険医療機関(皮膚科など)の診断書、または診断情報提供書を受けて、噛み合わせの負担がない場合においてCAD/CAM(キャドキャム)インレーが可能となります。


メリット

  • 白色なので見た目がよい。
  • 金属アレルギーの心配がない。
  • 天然の歯の硬さに近く、かみ合う歯にダメージを与えにくい。
  • 低価格。

デメリット

  • 磨耗しやすい。
  • プラスチックなので汚れを吸収してしまう。
  • 歯を多く削るため、しみたり、痛みが出たりする場合がある。
  • すべての歯に適用できるわけではない。

パラジウム合金

パラジウム合金は、正式には「金銀パラジウム合金」といい、いわゆる銀歯と呼ばれる金属です。

メリット

  • 比較的安価。
  • 耐久性がある。

デメリット

  • 金属アレルギーの心配がある。
  • 見た目に違和感がある。
  • 長年の使用で歯肉が黒ずむ場合がある。

保険適用外治療

オールセラミックインレー

セラミックインレーとは、セラミック (陶器)でできた詰め物です。

メリット

  • 審美性が高い。
  • 歯肉に黒ずみが出ない。
  • 着色や変色がない。
  • 劣化しにくい。

デメリット

  • 保険が適用されないので高価。

ハイブリッドインレー

ハイブリットインレーとは、セラミック(陶器)の粒子とレジン(プラスチック)を混ぜたもので作られた詰め物です。

メリット

  • 審美性が高い。
  • セラミックインレーよりもやわらかく、かみ合う歯にダメージを与えにくい。

デメリット

  • 長年の使用で変色する。
  • 保険が適用されないので高価。

ジルコニアインレー

ジルコニアインレーとは、人工ダイヤモンドに使われる硬い素材であるジルコニアを使った詰め物です。

メリット

  • 強度がある。

デメリット

  • オールセラミックよりも審美性は劣る。
  • 保険が適用されないので高価。

かぶせ物

保険が適用されるもの

CAD/CAM(キャドキャム)冠

CAD/CAM(キャドキャム)冠とは、Computer aided design/Computer aided manufactureの略。光学スキャナーと3Dプリンターを活用し、歯科用のプラスチックを削り出して製作する白いかぶせ物です。


CAD/CAM(キャドキャム)冠が対応できるのは、上下第一小臼歯・第二小臼歯・第一大臼歯(真ん中の歯から4番目、5番目、6番目の歯)。すべての歯に対応できるものではありませんが、保険適用内で白いかぶせ物を施すことができ、銀歯を避けたい方におすすめです。

メリット

  • 白色なので見た目がよい。
  • 金属アレルギーが起こりにくい。
  • 天然の歯の硬さに近く、かみ合う歯にダメージを与えにくい。
  • 低価格。

デメリット

  • 磨耗しやすい。
  • 脱落率が高く、はずれやすい。
  • 歯を多く削るため、しみたり、痛みが出たりする場合がある。
  • すべての歯に適用できるわけではない。

チタン冠

チタン冠とは、奥歯である上下大臼歯限定で使用できる金属のかぶせ物です。


歯科で使用するチタンは「純チタン2種」というもの。強度が強く、腐食や酸化しにくく、耐熱性にも優れています。電気も通しにくいです。


また、金属アレルギーを起こしにくく、生体親和性に優れています。

メリット

  • 強度がある。
  • 腐食しにくい。
  • 耐熱性に優れている。
  • 金属アレルギーを起こしにくい。

デメリット

  • 上下大臼歯のみにしか使用できない。
  • 加工するのがむずかしい。

レジン前装冠(歯科用プラスチック)

レジン前装冠とは、中身は金属(パラジウム合金など)で、外から見える部分にのみレジン(プラスチック)が貼りつけられた差し歯です。

メリット

  • 比較的安価。

デメリット

  • プラスチック素材部分が変色しやすい。
  • 長年の使用で磨耗していく。
  • 裏側の金属が見えて見た目がよくない。

パラジウム合金

パラジウム合金は、正式には「金銀パラジウム合金」といい、いわゆる銀歯と呼ばれる金属を使用したかぶせ物です。

メリット

  • 比較的安価。
  • 耐久性がある。

デメリット

  • 金属アレルギーの心配がある。
  • 見た目に違和感がある。
  • 長年の使用で歯肉が黒ずむ場合がある。

保険適用外治療

オールセラミック

金属を一切使わず、すべてにセラミック(陶器)を使用したかぶせ物です。

メリット

  • 審美性が高い。
  • 歯肉に黒ずみが出ない。
  • 着色や変色がない。
  • 劣化しにくい。

デメリット

  • 極端に強い衝撃を与えると割れることがある。
  • 保険が適用されないので高価。

メタルボンド

金属フレームにセラミックを焼き付けたかぶせ物。オールセラミックよりも強度があるので歯ぎしりや食いしばりをする方におすすめです。

メリット

  • 透明感があり、仕上がりが自然。
  • 歯肉に黒ずみが出ない。
  • 耐久性がある。

デメリット

  • 極端に強い衝撃を与えると割れることがある。
  • 保険が適用されないので高価。

ジルコニアクラウン

ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高く、体への安全性があります。

メリット

  • 強度があるので奥歯におすすめ。

デメリット

  • オールセラミックよりも審美性は劣る。
  • 保険が適用されないので高価。

【Q&A】虫歯の治療よくある質問

Q 痛みはないのに虫歯になっていることはありますか?

痛みを感じなくても虫歯になっていることはよくあります。初期の虫歯は痛みを感じないことが多いからです。そして、症状が出てきた時には手遅れになっている場合も。そうならないために、こまめに定期健診を行うのが効果的です。また、少しでも歯に違和感を覚えたら早い段階で歯科医院を受診することをおすすめします。

Q 詰め物やかぶせ物の保険適用と保険適用外ではどのように違いますか?

詰め物やかぶせ物の素材が変わってきます。保険適用の詰め物やかぶせ物は、最も基本的な素材を使用します。一方、保険適用外の詰め物やかぶせ物は審美性や機能性の高い素材を使用し、より自然で美しい仕上がりになります。それぞれのメリット、デメリット、料金などについては、お気軽にご相談ください。

まとめ

まとめ

進行した虫歯は自然に治ることはなく、徐々に悪化していくだけです。虫歯を放置にしていると痛みがひどくなるだけでなく、歯を失うリスクが高まります。虫歯はそのままにせず、早めの正しい治療が大切です。


歯を削ったあとの詰め物(インレー)やかぶせ物は、保険適用のもの、保険適用外のものなど、多様にあります。どのようなものがご希望か、しっかり歯科医師と相談しましょう。


何かご質問やお困りのことがありましたら、当院スタッフまでお気軽にご相談ください。



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